はじめに
「家電屋にゲームが作れるのか?」 かつて、
ソニーがPlayStationを引っ提げて参入した際、多くの人がそう感じていました。
しかし結果はご存知の通り、
彼らはビジネスモデルを根底から変えて覇権を握りました。
そして今、日本が誇る映像の帝国「東映」が動きました。
発表された「東映ゲームズ」。
この動きは単なる新規事業ではなく、
ゲーム業界の勢力図を再び塗り替える可能性を秘めています。
1. 共通点は「異業種の論理」による破壊
90年代のソニーが「家電・音楽の流通」を持ち込んでロムカセットの限界を壊したように、東映は「映像制作・IP(知的財産)の論理」をゲームに持ち込もうとしています。
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ソニー: 「作りやすく、売りやすい」CD-ROMというプラットフォームを提供。
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東映: 自社で抱える膨大なIP(仮面ライダー、戦隊、プリキュア等)を、外部ライセンスではなく「自社主導」で深く開発できる強み。
これまで「版権ゲー」といえば、ライセンス料の関係で開発費が圧迫されることが多々ありましたが、東映ゲームズはその制約を自ら突破できる立場にあります。
2. 「実写映像×ゲーム」の再定義
東映の強みはアニメだけではありません。
特撮などの「実写映像」のストックとノウハウは世界屈指です。
『恐怖の村シリーズ』のようなホラーや、特撮技術を応用したゲーム表現。
かつてPS1時代に流行した「実写取り込みゲーム」が、現代の4K/8K技術やAI技術と融合した時、これまでにない「リアリティの塊」のようなゲームが生まれるかもしれません。
3. 「バンダイナムコ」との関係はどうなる?
ここで気になるのが、長年東映IPをゲーム化してきたバンダイナムコとの差です。
恐らく、東映ゲームズがいきなり数千万人規模のAAA(超大作)を連発するのは現実的ではありません。
短期的な展開としてはインディー寄り、
あるいは実験的なジャンルでの自社パブリッシングをするのではないか?
そして長期的な展開として「企画の種」を自社ゲームで育て、跳ねたものを映画やアニメへ逆輸入する「逆クロスメディア」が考えられます。
これまでの「アニメをゲームにする」という流れから、「ゲームを起点に東映の新しいヒーローや映画を作る」という形にシフトしていくのではないでしょうか。
そういった取り組みの中で、バンダイナムコと協力するのか、或いは手を切ってしまうのかを注視していくのも重要なポイントになってくるでしょう。
4. 懸念点:ゲーム特有の「手触り」を再現できるか
ソニーが成功したのは、映像が綺麗だったからだけではありません。
当時のナムコなどの有力メーカーと組み、
「操作して気持ちいい」というゲームの本質を外さなかったからです。
東映ゲームズが「令和のソニー」になれるかどうかは、映像の豪華さに溺れず、ゲームとしての「手触り」や「コミュニティ運営」に、どれだけプレイヤー視点を入れられるかにかかっています。
まとめ
東映は「子供たちが何を求めているか」を、
半世紀以上にわたって現場で見てきた企業です。
かつてPS1が「大人のカルチャー」としてゲームを定義し直したように、東映ゲームズは「物語体験としてのゲーム」を、さらに一段上のステージへ引き上げてくれるかもしれません。
特撮やアニメの「お約束」を熟知した彼らが作るゲーム。
それは単なる娯楽を超えて、
私たちが「ヒーローそのものになれる」体験になるはずです。