携帯ゲーム機の歴史を振り返ると、革新的な性能を持ちながらも市場で苦戦したハードがいくつか存在します。その代表例が PlayStation Vita です。

2011年にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたこの携帯ゲーム機は、高性能なグラフィックや美しい有機ELディスプレイなど、当時としては非常に先進的なスペックを備えていました。
しかし結果として、Vitaは前世代機であるPlayStation Portable の成功を引き継ぐことができず、市場での大きな普及には至りませんでした。
それでは今回も、
PlayStation Vitaがなぜ普及しなかったのかを、ゲーム史の観点から解説します。
- PlayStation Vitaとはどんなゲーム機だったのか
- 理由①:スマートフォンゲームの台頭
- 理由②:専用メモリーカード問題
- 理由③:キラータイトル不足
- 理由④:競合ハードの存在
- 理由⑤:据え置き機との役割の曖昧さ
- PlayStation Vitaは失敗だったのか
- まとめ
PlayStation Vitaとはどんなゲーム機だったのか
PlayStation Vitaは、2011年12月に日本で発売された携帯ゲーム機です。
当時の携帯ゲーム機としては非常に高性能で、「据え置き機並みのゲーム体験」を携帯機で実現することを目標として開発されました。
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高解像度の5インチディスプレイ(初期モデルは有機EL)
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デュアルアナログスティック搭載
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タッチスクリーンと背面タッチパッド
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高性能GPUによる美しい3Dグラフィック
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ダウンロードゲームやオンライン機能の強化
PS3と同等のグラフィック性能を有し、
当時の携帯ゲーム機の中では、性能面で圧倒的な存在でした。
にも関わらず、携帯ゲーム史としてみると失敗に終わっているわけです。
一体なぜでしょうか?
理由①:スマートフォンゲームの台頭
PlayStation Vitaの最大の不運は、発売時期にありました。
2010年代に入ると、
パズル&ドラゴンズやモンスターストライク
といったスマートフォンゲームが急速に普及します。
スマートフォンは既に多くの人が持っているため、追加のゲーム機を購入する必要がありません。
その結果、携帯ゲーム機市場は大きく縮小していきました。
過去にPS2の記事を書きましたが、そのPS2が大きく普及したときと同じです。
スマートフォンが「ただの携帯電話」ではなく、ゲームや動画も見れたわけです。
携帯ゲーム機の様に常に持ち歩き、基本無料のゲームが現れた。
この流れは、Vitaだけでなく携帯ゲーム機全体に影響を与えました。
理由②:専用メモリーカード問題
Vitaには大きな欠点がありました。
それが「専用メモリーカード」です。
PlayStation Vitaは、一般的なSDカードを使用できず、専用のメモリーカードを購入する必要がありました。
しかも価格が高く、
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16GBで数千円
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32GBではさらに高額
という状況でした。
ユーザーからは
「ソフトよりメモリーカードが高い」
という批判も多く、購入のハードルになりました。
理由③:キラータイトル不足
ゲーム機が成功するためには、
そのハードを買う理由になる「キラータイトル」が必要です。
例えば
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ゲームボーイでのポケットモンスター 赤・緑
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PSPでのモンハン2nd G
しかしVitaでは、ハードを爆発的に普及させるタイトルが登場しませんでした。
ただ人気作品が無かったわけではありません。
ペルソナ4ザ・ゴールデンやグラビティデイズといった有力ソフトもありました。
ですが、これらのソフトはPS4でも発売されることとなってしまい、
結果として市場全体を動かすほどの作品にはならなかったのです。
理由④:競合ハードの存在
Vitaが戦っていた相手は強力でした。
それがニンテンドー3DSです。
Vitaが全世界で1581万台だったのに対し、
3DSシリーズは7549万台を売り上げます。
発売当初こそ3DSは苦戦しましたが、
大幅な値下げと強力なソフトラインナップで急速に普及します。
特に以下のシリーズが強力でした。
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ポケットモンスター X・Y
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モンスターハンター4
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とびだせ どうぶつの森
これらの作品が携帯ゲーム市場を大きく支配しました。
また筆者視点で当時の事を振り返ると、
モンハンがPSからDSに移った時の衝撃は凄まじいものでした。
それだけ次世代機であるVitaが不振だったということでしょう。
理由⑤:据え置き機との役割の曖昧さ
Vitaは「据え置き級のゲーム体験」を目指していました。
しかしこのコンセプトには問題がありました。
据え置きゲームを遊びたい人は
PlayStation 4 を買います。
一方、携帯ゲーム機に求められるのは
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手軽さ
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短時間プレイ
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シンプルなゲーム
でした。
つまりVitaは
据え置き機と携帯機の中間に位置する曖昧な存在
になってしまったのです。
PlayStation Vitaは失敗だったのか
市場としては苦戦したVitaですが、
評価が悪いというわけではありません。
現在でも多くのファンが存在し、
次代の先を行く名作ゲーム機として語られることも多いです。
特に次の点は高く評価されています。
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高品質なディスプレイ
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携帯機としては優れた性能
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個性的なゲームソフト
また、インディーゲームとの相性が良く、
多くの小規模作品がVitaで遊べるようになりました。
まとめ
PlayStation Vitaが普及しなかった理由は、複数の要因が重なった結果でした。
主なポイントを整理すると次の通りです。
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スマートフォンゲームの急速な普及
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高価な専用メモリーカード
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市場を動かすキラータイトル不足
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ニンテンドー3DSとの競争
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据え置き機との立ち位置の曖昧さ
しかしVitaは決して失敗作ではなく、
ゲーム史の中では「早すぎた携帯ゲーム機」とも言われています。
携帯ゲーム機の役割が変化していく時代の中で生まれたこのハードは、今でも多くのゲームファンに愛されている存在なのです。