はじめに
前回記事:【ゲーム機の歴史⑤】2000年 黒い衝撃:PS2【史上最強のハード】
PS2によってゲームが完全に大衆化した後、家庭用ゲーム業界は次の問いに直面します。
「これ以上、ゲームはどこへ進化すべきなのか?」
この問いに対し、2000年代後半、
各社は全く異なる答えを出しました。
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任天堂:体感操作で間口を広げる
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ソニー:高性能化で表現を突き詰める
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Microsoft:オンラインとサービスを重視する
こうして生まれたのが、
Wii・PlayStation 3・Xbox 360による三つ巴の時代です。
- はじめに
- 任天堂の選択「Wiiという異端」
- 「ゲームをしない人」を取り込む戦略
- PlayStation 3の苦難のスタート
- Microsoftの現実的戦略「Xbox 360」
- 三者三様の「勝ち方」
- 「ゲームとは何か」が分かれた時代
- 次回予告
任天堂の選択「Wiiという異端」
2006年11月、任天堂は国内に先駆け、海外でWiiを発売します。
このゲーム機は、性能面では競合機に大きく劣っていました。

しかし、任天堂はそもそも
性能競争に参加するつもりがありませんでした。
Wiiの最大の特徴は、
誰が見ても直感的に理解できる体感操作です。
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振る
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傾ける
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指す
ゲームの操作を「覚えるもの」ではなく、
体を動かすものへと変えたのです。
「ゲームをしない人」を取り込む戦略
Wiiが本当に狙っていたのは、
これまでゲームを遊んでこなかった層でした。
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高齢者
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家族
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普段ゲームに触れない人
Wii SportsやWii Fitは、
「勝つ・負ける」よりも
「体験すること」自体を重視しています。
また最新のグラフィックで描かれた「スマブラX」や、PSから販売ハードを変更した「モンハン3」等、魅力的なラインナップが充実していました。
結果としてWiiは、
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家庭のリビングに置かれ
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家族全員で遊ばれ
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ゲームに抵抗のあった層にも受け入れられた
非常に特殊な成功例となり、
世界での売り上げ台数は1億台を突破する大成功を収めます。
PlayStation 3の苦難のスタート
一方、ソニーは2006年に**PlayStation 3(PS3)**を発売します。

PS3は、
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高性能CPU「Cell」
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Blu-rayドライブ標準搭載
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映像・音響表現の大幅進化
- 無料のオンライン接続
という、技術の塊のようなゲーム機でした。
「PS2の後継機」という絶対的信頼。
それによって発売日には多くの人が押し寄せ、
「物売るってレベルじゃねーぞ!」という一言は
PS3への期待を表す象徴的なコメントになりました。
しかし、そんな期待とは裏腹にPS3は商業的に大きく失敗してしまいます。
問題となったのはその販売価格。
競合となるWiiの25,000円に対しPS3の49,980円という価格は「高すぎる」という
不満の声が続出。
残念ながらPS3はスタートダッシュに失敗します。
しかし、その後徐々に販売価格を下げ、
「FF_XIII」や「GTA5」といった世界的キラータイトルの後押しもあり
最終的な売り上げ台数は8000万台と後半で巻き返しを図ることに成功します。
※因みにGTA5はPCやXBOX等の他機種を含めると2億本以上売り上げています。
Microsoftの現実的戦略「Xbox 360」
MicrosoftはPS3よりも一足早く、
2005年にXbox 360を発売しました。

Xbox 360の強みは、
ハード性能だけではありません。
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Xbox Liveによるオンライン基盤
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ボイスチャットの標準化
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フレンド文化の定着
これにより、
オンライン対戦が当たり前の体験になります。
FPSや対戦ゲームの分野では、
Xbox 360は特に強い存在感を示しました。
しかしながら発売当初の初期型に於いて、
通称「レッドリングオブデス」という初期不良が確認されていました。
初期型のXbox360は排熱能力が低く、且つ発熱量が高かった為にCPU/GPU部分の温度が異常に上昇、そしてプロセッサと基板を接合していたボール状のハンダにヒビが入ったり溶け出したりすることがありました。
それによってXbox360は再起不能の故障を起こす事例が頻発。
結果PS3と同様にスタートダッシュに失敗しますが、
後続のマイナーチェンジ版にてこれを改善。
結果世界の売り上げ台数は8000万台以上とPS3と同格の立ち位置となりました。
三者三様の「勝ち方」
この世代は、
単純な勝ち負けで語れない時代です。
任天堂(Wii)
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販売台数では圧勝
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ゲーム人口を拡大
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新しい遊び方を提示
ソニー(PS3)
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後半で巻き返し
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高品質な独占タイトル
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映像表現の基準を引き上げる
Microsoft(Xbox 360)
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オンライン文化を定着
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欧米市場で強さを発揮
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サービス重視の布石を打つ
それぞれが異なる土俵で成功しました。
「ゲームとは何か」が分かれた時代
この世代の本質は、
ゲームの定義そのものが分岐したことにあります。
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体を動かす娯楽
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映画のような体験
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人とつながるサービス
どれも「正解」であり、
どれか一つに収束することはありませんでした。
この多様化こそが、
現在のゲーム業界の前提となっています。
次回予告
Wii・PS3・Xbox 360の時代を経て、
ゲーム業界は次の段階へ進みます。
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HD表現の完成形
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デジタル配信の拡大
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サービスとしてのゲーム
そして、いつまでも続くと思われた三国時代のゲーム機に市場は想定外の勢力によって
大きな決断を迫られることになります。
彼ら新勢力が齧ったのはリンゴだけではなかったのです。
次回記事:2月2日